信濃山形自転車倶楽部

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Criterium du Kaida.

Legarsi Igname Web

08
2017  20:30:00

自転車のブレーキのお話

管理忍です。自転車のブレーキでいろいろ考えたことなど。

もちろん、どっちが正しくてどっちが間違っているということではなく。調べてみると20世紀末くらいから「自転車のブレーキ、右か左か」みたいな話がある様で奥が深いなぁと思います。


■自転車には右前ブレーキと左前ブレーキがある

遥か遠い昔、高校の時に乗っていたロードバイクは「右前・左後ブレーキ」が当り前だったのですが、左右逆のブレーキのことを初めて聞いた時は信じられませんでした。聞いた感じ「左前」なんて縁起が悪いではないか。これが浦島効果なのか?!(違います

ちなみに自転車界隈では、英国式は「右前・左後ブレーキ」、米仏伊式は「左前・右後ブレーキ」。日本は英国式、JIS規格も同様。でもなぜかオートバイは英国式の「右前ブレーキ」なんですよね全世界で。不思議。

「管理人さん、ブレーキだけど右にする左にする?」
「モーターバイク乗りなので右前ブレーキでお願いします。」

監督の気遣いが嬉しい午後の昼下り。


■自転車のブレーキの歴史

調べてみると、英国の1885年の「ローバー安全型自転車」が最初とか。この時はまだ右前のロッド式リムブレーキのみ。イギリスはもとより全世界に輸出。1920年代から「English 3 speed」の「英国式ロードスター」、「オールド・フェイスフル」へと進化、後に後輪にドラム式の左ブレーキが搭載される。

つまり、もともと自転車は英国が発祥で、まず「右前ブレーキ」、次に「左後ブレーキ」が搭載され全世界に波及。その後、米国や欧州に左右逆の「左前ブレーキ、右後ブレーキ」が派生し、今日に至る。

なぜ自転車が、同時代のモーターバイク同様に右前ブレーキの普及や進化を遂げず、右前と左前に分裂進化したのかが謎。(英)トライアンフも、(米)ハーレーも、(仏)MBKやモトベカンも、(伊)ベスパやドゥカティも、(独)BMWも、(墺)KTMも、(日)ホンダ・カワサキ・ヤマハ・スズキも、みんな右前ブレーキなのに。

整備性手信号等々諸説ある様ですが、年代的にイギリスと対立している国ばかりなので、その時代の労働者階級の反英的な国民感情みたいなものが影響したのかもしれませんし、その当時廃れゆく乗り物だったので規制が入らなかったとか、もしくはロシア文字みたいにそれを伝えた偉いお坊様が左右間違えたとか、グレアム・オブリーみたく自作自転車作り放題だったとか。

まあ、歴史上ではよくあることですが、ブレーキの前後左右は混ぜると危険なので困ったものです。


■モーターバイク乗りは自転車でのダウンヒルが速い?

とある自転車乗りさんに聞くところそうらしいです。不思議。

その理由ですが、オートバイ経験者はたぶん、後輪ブレーキ旋回制御しているからかと。「止まる為のブレーキ」ではなく「曲がる為のブレーキ」をしているからかと。

ダウンヒルのコツは「ライン取り」にありますけどそれ同様に「旋回制御」も大切。ベテランライダーの後ろを新米ライダーが走ってカーブを曲がり切れずに事故を起こすケースは「旋回制御」の能力差、と、ベテランライダーの配慮不足。ライン取りだけを注力していると自転車でも同様のケースが発生するかもしれません。

ユーチューブとかでトップクラスのチャリダーさんのダウンヒル動画を見ると集団かつノーブレーキでコーナー突入してたりするので「スゲー、マネできねー」と思います。まるでマン島TTのガイ・マーティンの動画を見ている様な印象。高度な技と思います。




■曲がる為のブレーキと止まる為のブレーキ

曲がる為のブレーキ」 は 「速度調整が目的」
止まる為のブレーキ」 は 「危険回避などを目的とした急制動で、短時間・短距離で止まることが目的」

緩制動では自転車同様に前輪ブレーキだけで止まれないこともないのですが、その習慣が急制動でも出る可能性があります。その場合、前輪ロックか後輪スライドで転倒。検定でコケるのはこのパターン。卒業できないし、免許も貰えません。

その為、最初に「後輪ブレーキ」、次に「前輪ブレーキ」の習慣化が重要。そう言えば止まる時ぐらいしか前輪ブレーキ使ってないですねぇ。走行中とか常に気を使っているのが後輪ブレーキです。


■ブレーキの今後

個人的に自転車では「ブレーキの教育や習慣化」が大切と思っていますが、それは単なる応急処置で根本的な解決になってないので、やはり恒久処置が必要と思っています。アシストブレーキやコンビネーションブレーキ、アンチロックブレーキ等々。人的な間違いをシステムで解決する、それが適切な再発防止や予防処置方法と思います。

ただ、ロードバイクは軽さが命ですので、クルマやオートバイの様なシステム的な解決方法は馴染まないかもしれません。悩ましい部分ですが、自転車では安価かつ軽量化されないと普及しない様に思います。

ブレーキは英国式でも欧米式でもどちらでもいいのですが、いずれにせよ安全運転にて。

by 管理忍

 機巧通信 / Sysadmin column